Google Workspace 1つの契約に、複数のドメインを設定できます。上手に使い分けできるようそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。
自分が使うドメインか、許可リストに追加するドメインか
Admin 画面ではまず先に「ドメインの管理」か、「許可リスト登録済みドメイン」のどちらの設定に入っていくかの選択が必要です。
「許可リスト登録済みドメイン」とは、自社の契約で使用するドメインではなく、自社の契約ではないドメインを登録する場所です。
Drive や Chat などアプリ単位で「外部」との共有の設定の中に「許可リスト登録済みドメインに対してのみ許可する」設定があります。これは自社契約 + 許可リストのドメイン まで共有を可能に広げる場合に使用します。
つまり、「許可リスト登録済みドメイン」にドメインを追加したところで、各アプリ単位の「外部」との共有の設定で、下記画像のように「許可リスト登録済みドメインに対してのみ許可する」にチェックが入っていないデフォルトの設定だと何の意味もないことになります。
「セカンダリ ドメイン」か「ユーザー エイリアス ドメイン」か
ドメインを追加する場合、この2つの違いを理解しておく必要があります。
「セカンダリ ドメイン」は、ユーザーやグループを作成するときや、ユーザー毎のメールエイリアスを作成するときに選択可能なドメインです。違うドメインになるのでアカウント名が同じでも別のユーザーを作成できます。つまり@より左側のアカウント名が同じでも異なるドメインなら異なるユーザーを指します(後述するメールエイリアスの設定によっては同じユーザーで作成することも可能)。
「ユーザー エイリアス ドメイン」は、何もしなくても1つのユーザーに自動的に割り当てられるドメインになります。1つのユーザーが複数のドメインをもつことになります。異なるドメインであっても@より左側のアカウント名が同じなら同じユーザーを指します。
「セカンダリ ドメイン」のポイント
異なるドメインを1つの契約内で管理できるようになります。人は違えどほぼ同じ業務をしていてドメインが違う場合に有効です。同じ契約内なので外部という扱いにならないのでアプリ単位での「外部」との共有をオフにしていてもデータ共有できますし、「許可リスト登録済みドメイン」に追加する必要はありません。
ドメインが違う異なるユーザーを作成することも、同じユーザーの別のアカウント(メールエイリアス)を設定することもできる点は便利ですけど注意が必要です。
例えば name1@abc.com と name1@def.com をそれぞれ違うユーザーとして作成することができるし、name2@abc.com のメールエイリアスとして name2@def.com を作ることができます。柔軟性が高く便利な一方で、Drive共有時やカレンダー招待時に同一人物なのか異なるユーザーなのかメールアドレスだけでは見分けがつきにくくなります。
複数ドメインでも情報共有を当たり前に行える間柄のドメインなら契約を一本化できますし、ドメインは違って会社が違っても実質同じ職場で情報共有は当たり前の範囲で仕事しているなら「セカンダリ ドメイン」の追加になると思います。
「ユーザー エイリアス ドメイン」のポイント
1つのユーザーが異なるドメインを複数使えるようにします。MXレコードも適切に設定すれば1つのユーザーが複数のドメインのメール送受信が可能になります。
name@abc.com と name@def.com は実質同じユーザーになるのでこの2つのユーザーを作成することは出来ません。name@abc.com を作成すれば自動的に name@def.com も使用できるようになります。
ただし、注意点は契約内のすべてのユーザーがそのドメインを使うことができます。例えば 10人全員は @abc.com を使うがそのうちの 2人だけは @def.com も使えて、8人は使えないという設定ができません。
社名変更などによるドメイン変更などがあった場合に「ユーザー エイリアス ドメイン」を設定して、しばらくの間並行稼働するといったときに使う設定だと思います。
グループにも有効なので便利に使い分ける
ユーザーだけでなくグループのアドレスに対してもこれらの追加されたドメインは使えます。
例えば、@abc.com をプライマリ ドメイン、@def.com を セカンダリ ドメインとして設定してあるとき、group1@def.com を作成しそのメンバーには @abc.com のユーザーを追加することができます。メールエイリアスを2人それぞれに設定する必要がなくなるかもしれません。
さいごに
異なるドメインでそれぞれの異なるユーザーを登録するときでも、異なるドメインを同じユーザーが使い分けたいときでも、柔軟性を考えるとおすすめするのは「セカンダリ ドメイン」で設定していく方かなと思います。「ユーザー エイリアス ドメイン」は先に書いた通りドメイン変更などの並行稼働時だけかなと思います。
ドメインについてはなかなか検証する機会がないと思います。理解してしまえば複数のドメインを設定しても結構便利に使えそうです。