小田急電鉄は、100年にわたり地域とともに成長してきた鉄道会社です。同社は、社会の大きな変化に対応すべく、DX推進に積極的に取り組んでいます。特に交通サービス事業本部では、2022年度からClaris FileMakerによる内製開発をスタートし、業務プロセスの最適化やシステム開発の迅速化、ユーザーエクスペリエンスの向上を目指しています。
コロナ禍で事業継続の危機にさらされる中、小田急電鉄は「変革」の必要性を痛感し、自社でアジャイルな開発をしながらコストも抑えられる内製化に踏み切りました。開発プラットフォームには、開発自由度と汎用性の高いFileMakerを選択。他の交通系企業での導入実績やiPhoneやiPadとの親和性の高さが決め手となりました。
FileMakerの導入後、乗務員経験者や現役の運転士、車両整備士らが中心となって、現場目線でのシステム開発が進められました。わずか数カ月で「安全コミュニケーションシステム」や「列車運転情報確認ツール(通称:れっけん)」、工具の台帳システムなど、10アプリ以上が開発され、大きな成果をもたらしています。
これまでに10人以上の社員がFileMakerでの開発に携わっており、DX推進が活発に行われている様子が伺えます。現場社員が主導するシステム内製化は簡単ではありませんでしたが、現場を思い業務改革に取り組む開発者の熱意と、それに対応できるFileMakerの力があってこそ、ここまでの成果を収められたのでしょう。
小田急電鉄のDXは力強く動き始めており、今後も多くの部署でFileMakerを活用し、事業継続におけるデジタル活用とお客様への提供価値向上につなげていく計画です。現場主導で進められる小田急電鉄のDXの取り組みは、他企業のDX推進にも大いに参考になるはずです。
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