1960年創業の株式会社ホリプロは、芸能生活50周年を迎えた和田アキ子さんなど多くのタレントを擁する老舗の大手芸能事務所。昭和35年(1960年)の創業以降、「文化をプロモートする人間産業」という企業理念のもと、タレントの発掘・育成を強みとするマネージメント事業を中心として、番組やCMを制作する映像事業、ミュージカルなどの演劇をプロデュースする公演事業など、さまざまな事業を複合的に展開する総合エンターテインメント企業です。
導入の背景・課題
ホリプロでは、約300名の社員が、各事業部や現場で発生する日々の多くの事柄に接してのコメントなどを、週に一度、紙に書いて報告し、上席がコメントをつけて本人へフィードバックする仕組みを長年取り入れていましたが、上席が把握するだけでもかなりの時間と労力を必要としていました。また、社員の立場からすれば、フィードバックに時間がかかりすぎているため、上席からのコメントが届いてもタイムリーなアドバイスではないなどの悩みもありました。
導入の経緯
そんな中、週報の電子化ができないかと検討を開始した。ホリプロでは、外勤社員全員に iPhone を配布、役員を含む管理職には iPad を配布していたが、内勤社員は Windows PC を利用していた。iOS と Windows のどちらでも動作し、迅速にカスタム App を作成できる FileMaker プラットフォームが最適と考えた。開発会社には、FileMaker Business Alliance Platinum メンバーであり、FileMaker と iOS の事例を豊富に持つ寿商会を選定した。
使いながら改修する開発へ
紙で行っていた業務を違和感なくデジタルに移行したいとの要望だったため、使いやすさがもっとも重要でした。要件定義ありきで進めるのではなく、使いながら改修していくという開発手法をとりました。これは FileMaker の得意とする開発手法であり、まずは紙の書類と同様のインターフェースでお使いいただきながら、修正を加えていきました。そのため、リリース時には操作マニュアルや導入のための研修などは必要なく、すぐに現場に取り入れることができました。
導入後の効果
導入後は、これまで1〜2ヶ月かかっていたフィードバックがリアルタイムになったため、現場社員の記録したホットな情報を社長および役員が閲覧できるようになり、社員にとっても素早いフィードバックを得られるようになるなどコミュニケーションの質が向上しました。また、iPhone で使えるようにしたため、移動中や待機中の空いている時間を有効に活用していつでも入力できるようになったのは特に外勤社員から好評だった。
稼働開始後には、Amazon の AWS 上で稼働する FileMaker Cloud に移行した事で、レスポンスを向上させたほか、現場から要望の多い機能を追加するなど日々進化している。
イメージ動画
ホリプロが目指す社内コミュニケーション変革 – ペーパーレスにとどまらないFileMaker導入の効果とは(マイナビニュース)
基本情報
業種 | 芸能プロダクション |
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ユーザー数 | 約400名 |
システム構成 | FileMaker Cloud、FileMaker Pro Advanced、FileMaker Go |
ハードウェア | iPhone、iPad、Windows PC |
開発期間 | 約6ヶ月 |