Claris FileMaker Cloud から FileMaker Server への移行の注意点(Ubuntu OS のタイムゾーンとロケール設定)

コマンドラインによるインストール作業と一部の設定

Claris FileMaker Server for Linux は FileMaker ユーザーが苦手なコマンドラインでインストールすることになります。 (FileMaker Server の 1 台のマシンへのインストール (Linux)
インストールが完了さえすれば、あとはブラウザから16000番ポートの FileMaker Server Admin Console に入りGUIによるマウス操作で設定変更できます。(次のステップ

それでも一部の設定はヘルプに書いてはないんですが Ubuntu OS の次の2つの設定をコマンドラインで変更することをおすすめします。

  • タイムゾーン
  • ロケール

タイムゾーンの設定

タイムゾーンとはサーバー本体の時計をどの地域にするかの設定です。

おそらく Ubuntu OS をインストールしたままの環境では UTC というか GMT というか、
イギリスあたりのタイムゾーンになっています。
日本時間からすると -9時間 です。

これまでの FileMaker Cloud for AWS や 現行の FileMaker Cloud では東京リージョンであっても、
サーバーのタイムゾーンは UTC です。
一方これまでみなさんが会社のサーバーに FileMaker Server をインストールして使っていたとしたら、
おそらくサーバーのタイムゾーンは日本である JST だったと思います。

つまり、今まで FileMaker Cloud for AWS や 現行の FileMaker Cloud を使用していて、
これから Claris FileMaker Server for Linux Ubuntu OS を利用される方は UTC 、

一方会社のサーバーに FileMaker Server をインストールして使っていた方は、
おそらくタイムゾーンは日本だったと思いますし、タイムゾーンを JST にしたほうが良いです。

この設定変更は FIleMaker Server Admin Console で行うのではなく、OSの設定を変更する必要があります。
timedatectl コマンドで変更します。詳細はネットを検索すればいっぱいでてくるので変更方法は割愛します。

ファイルのロケールを使うと日時表示は大丈夫、しかしフォント設定は変わらず

ロケール、地域設定ともいいます。
2021/04/19 は日本なら馴染みのある日付ですが、
アメリカでは 04/19/2021 が一般的です。
これは GetAsDate、GetAsTimestamp関数にも影響します。

FIleMaker は昔からこのような違いを吸収設定があります。
メニューの「ファイル」ー「ファイルオプション」をクリックし、
「テキスト」タブの「データ入力」の設定です。

デフォルトでは「常に現在のシステム設定を使用する」です。
クライアントが多国籍であっても、そのクライアントPCに設定してある地域設定に応じた表示がでます。
ただし今回のようにサーバー上でスクリプト実行すると、
サーバーに設定している地域設定を使うことになってしまいます。

一方「常にファイルに保存されている設定を使用する」では、ファイルを新規作成したときの地域設定が埋め込まれ、
クライアントやサーバーの地域設定は無関係になります。
日本の地域設定だけで使用している環境で、
サーバー上のスクリプトを実行することが多ければ、
こちらの設定変更をおすすめします。

これで 年 / 月 / 日 表示になりますが、
フォントの問題が未解決です。

ロケールの設定

地域設定などと言われています。
使用するフォントの優先順や日時の表示に影響します。

上記の2つの画像は WebDirect でPDFを作成した場合の違いを表しています。
上は FileMaker Server for Linux ロケール変更しない場合及び Claris FileMaker Cloud 2.19.3 の環境、
下は ロケールの設定を日本にした Ubuntu OS上のFileMaker Server の環境です。

Claris FileMaker Cloud は東京リージョンではありますが、
全世界共通の運用で行っているらしく、ロケールの設定は日本にはなっていません。
また Ubuntu OS をインストールした直後も同様に日本にはなっていないと思います。

ロケールが日本ではない場合の日本語表示は標準でインストールされている Takaoフォント が使用されず、
いわゆる中華フォントといわれる気持ちの悪い簡体字まじりになります。
また文字数の多いPDF作成では大きく速度面で影響を与えているようです。

このフォントの違いは WebDirect だけでなく、サーバー上のスクリプト実行、スケジュール や Data API によるスクリプト実行でも同様の結果になります。

この設定変更も FIleMaker Server Admin Console で行うのではなく、OSの設定を変更する必要があります。
localectl コマンドで変更します。詳細はネットを検索すればいっぱいでてくるので変更方法は割愛します。

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