iPadOS スクリブル とは
iPadOS と Apple Pencil の組み合わせによって、
手書き文字認識によるテキスト入力が可能になる機能です。
残念ながら上記の組み合わせのみの機能なので、
iPhone や Apple Pencil ではないタッチペンや指による手書きでは機能しません。
iPadOS 14 で、英語と中国語のみの機能として初登場し、
2021年9月にリリースされた iPadOS 15 で日本語対応になりました!
試したところかなり乱暴ななぐり書きでもきちんと認識するようです。
キーボードアレルギーに対する回避策は、
音声によるテキスト入力なども含め、
いよいよ PC やノートブックよりも iPad の方が便利!
という時代の到来です。
スクリブル 向けの開発は不要かも
iPad 向けシステム開発者の気になるところは、
「スクリブル」対応するには何をしなければならないか、です。
結論から言うと、何もしなくても大丈夫です。
Apple Pencil が接続されている状態で、次のような動作をします。
- どのフィールドにもカーソルが入っていないとき
- Apple Pencil で画面のドラッグ操作は、画面のスクロール
- Apple Pencil で入力フィールドをタップすると、スクリブルによる入力モードになります
- 指による操作で入力フィールドをタップすると、ソフトウェアキーボードが出現します
- スクリブルによる入力モード中のとき
- 一筆目の最初だけ当該入力フィールドエリア内から開始すれば、
それ以降入力フィールドエリア内からはみ出る位置への書き込みもすべてそのフィールドへの入力になる - 日本語、英語の切り替えは下部のポップアップ内で行う
- スクリブルによる入力モード中でも下部のポップアップ内のボタンからソフトウェアキーボードを出すことは可能
- 一筆目の最初だけ当該入力フィールドエリア内から開始すれば、
- ソフトウェアキーボードが出現しているとき
- キーボード入力のみということはなく、スクリブルによる入力を併用することもできる
iPad 向け入力画面開発でレイアウトの工夫
iOS 向けには以前から「指での操作前提に一定の幅と高さを確保する」ことが、
レイアウトを構成する上で重要とされていました。
HTML や FIleMaker で普通にフィールドを配置するだけでは、
おおよそ高さ 25pt 程度になります。
マウスカーソルがあるマウス操作では問題ないが、
指の操作には不向きという状態です。
アップルからも iOS 向けには 44pt 以上確保することと、
ガイドラインが示されています。
ユーザーインターフェイスのデザインのヒント
そのためわざわざPC向けの画面と iOS 向けをわけて開発しますが、
その分だけ開発コストが増加します。
もしくはモバイルファーストといって iOS 向けの画面を PC でも使用するようにすることもありますが、
一度に画面上に表示できる情報量が少なくなってしまうことに不満をもつこともありました。
しかし、今となってはさまざまな外部入力機器や iPadOS の機能でテキスト入力ができます。
- キーボード、テンキー
- トラックパッド、マウス
- Apple Pencil によるスクリブル
- 音声入力
- カメラ(QRリーダーや画像内文字認識もテキスト入力といる)
ということは、ソフトウェアキーボードを補助的にしか使わない前提の iOS 向けレイアウトは、
モバイルファーストではなく、PC向けの画面1つでいいという考えもでてきます。
音声入力はキーボードに不慣れな方の入力として最適でしたが、
Apple Pencil のビジネス導入の動向によってはトレンドが変わってくるかもしれません。
ほんと、認識の正確さには驚きますので、ぜひ一度お試しあれ
最初に投稿を公開したときは「iPad OS」と表記していましたが、
正しくは「iPadOS」です。修正しました。