Claris FileMaker 2023 – GetLiveText 関数とReadQRCode 関数の機能追加

GetLiveText 関数が日本語に対応

macOS, iOS 上の Claris FileMaker Pro、Claris FileMaker Go で利用可能な GetLiveText 関数で、待望の日本語がサポートされました。
GetLiveText 関数は、オブジェクトフィールドに格納された画像ファイルの中から、OCR 機能を使って文字を抽出し、テキストに変換する機能です。
Ver.19.5で初めて導入されたこの機能は、今までは英語、中国語など7言語に対応していまいたが、今回新たに日本語など3言語に追加対応しました。

構文:
GetLiveText (オブジェクト ; 言語 )

例:
フィールド設定 [サンプル::読み取りテキスト ; GetLiveText (サンプル::画像1 ; "ja-JP")]

読み取りを実際に試してみる

試しに macOS 上の FileMaker Pro で、いくつかの画像で試してみます。

読み取り例(1)
日本語の中に、英語とギリシャ数字が混ざっていますが、ほとんど正しく認識されています。
誤変換は、ギリシャ数字のXがxに、「盲」が「育」になっている 2 箇所のみでした。

読み取り例(2)
写真上のキャプションも正しく認識しています。
レイアウト上のテキストブロックのかたまりとしては認識できず、左から右に連読して読み取っています。

読み取り例(3)
音楽教本ですが、フラット記号など一部正しく認識できていない部分があります。

読み取り例(4)
残念ながら縦書きには対応していないようです。

読み取り例(5)
試しに縦書きテキストを左に90°回転させましたが、読み取り結果は(4)とまったく一緒でした。

逆にここからわかることは、元画像の傾きや回転は無視される、ということです。180°回転させても認識結果は同じでした。ついでに、画像を反転(上下、左右)させて試したところ、これはさすがに認識することができませんでした。

読み取り例(6)
手書き文字は、意外にもほとんど正確に読み取れています。

GetLiveText 関数については、初出時にこちらの記事でも詳しく紹介していますので合わせてご参照ください。

GetLiveText 関数の動作環境

従来はクライアントが macOS 版 FileMaker Pro か FileMaker Go でのみ実行可能でしたが、新たにサーバ上実行もサポートされるようになりました。ただし、macOS で Server を立てている場合に限定であって残念ながら Windows 版や Ubuntu 版のサーバでのサーバ上実行は動作しません。

macOS や iOS が内蔵している API を使用するため、それらの OS 上で実行させれば良いことになります。

  • 関数を評価するのがクライアントの場合、クライアントは従来どおり macOS版 FileMaker Pro か FileMaker Go が必要
  • 関数を評価するのがサーバ上実行の場合、サーバが macOS である必要がありますが、クライアントは何でもいい

ちなみに本投稿で サーバ上実行 とは次のような環境での実行を指します。

  • 「サーバー上のスクリプト実行」「コールバックを使用してサーバー上のスクリプト実行」スクリプトステップを使う
  • FileMaker Server でのスケジュールによるスクリプト実行
  • Claris FileMaker WebDirect での使用
  • Claris FileMaker Data API、Claris FileMaker OData API での使用

ReadQRCode 関数はマルチプラットフォームに対応

もう一つ似た関数で、ReadQRCode 関数にも機能追加がありました。
オブジェクトフィールドに格納された画像ファイルの中の QR コードを読み取ることができる関数です。

従来は macOS、iOS のみで動作しましたが、こちらは今回 Windows や Ubuntu 上でもサポートされるようになりました。
つまりすべての FileMaker Pro で動作するようになったのはもちろん、ReadQRCode 関数はほとんどのサーバ OS でのサーバ上実行も可能になっています。
必要なサーバ OS のバージョンについてはまだ詳細がわかりませんが、Claris Pro および FileMaker Pro ヘルプ によると Windows 10、iOS 15.0、iPadOS 15.0、macOS 12.0、および Ubuntu 22.04 以降が必要、とのことなので、各 OS の最新バージョンであれば大丈夫そうです。

上の GetLiveText 関数と同じように QR コードを90°、180°回転させて読み取ったところ、QR コードの利点だと思いますが、どのような角度でも正常に認識できました。こちらは、上下・左右の反転(鏡に写った QR コード)をさせても、正常に読むことができました。
また、複数の QR コードが含まれた画像を認識されると、その中の1つだけを読み取るようです。どのコードを読むかは、macOS 上と Windows 上でも異なったりして、法則性を見つけることはできませんでした。

 

【 余談 】
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Claris International Inc. (日本語)
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