Claris Connect カスタムコネクタのハンズオン Webinar

Claris Connectの大きな機能強化となる「カスタムコネクタ」が発表されました。
作成方法についてのハンズオン Webinar が、日本時間の8/18(金) 8時に開催されたので、ご紹介します。

Claris Connectでは従来より、一般に公開されている各種WebサービスAPIをコーディングなしで簡単に利用できるようにする「コネクタ」を、Claris標準の機能部品として数多く提供しています。コネクタは、フローを組み立てるためのビルディングブロックです。
しかしこれまでは、
・自分が利用したいAPIのコネクタが提供されていない
・元のAPIのすべての機能(エンドポイント)を利用できない
などの場合に、FileMakerのスクリプト(「URLから挿入」スクリプトステップ)などで元のAPIに直接アクセスするしかない、という状況もありました。
そこで今回提供されたのが、ユーザが自由にコネクタを作成してClaris Connectのフローにその機能を組み込めるようになる「カスタムコネクタ」というしくみです。

カスタムコネクタの特長

カスタムコネクタには以下のような特長があります。

– JSONのみで定義
– ブラウザ内で作成可能
– テスト、デバッグ機能
– 作成後すぐにClaris Connect内で使用可能
– 既存のコネクタと同じ機能のサンプルテンプレート(OpenAI, etc.)が提供されており、機能を修正・追加するなどのカスタマイズも可能。
– タイプアヘッドなど、一般的なIDE的な入力支援機能が備わっているので、ゼロから作る場合でも短時間で作成が可能。

カスタムコネクタの制限

また、現在は以下のような制限があります。

– アクションのみに対応。 トリガーにはなれない
– アイコンはカスタマイズ不可
– チームをまたいでの共有はできない。 ただし、定義はJSONのみなので、簡単にテキストベースの受け渡しができる。
– 認証機能は基本的なものにのみ対応。 (今後拡張予定)
– 一度publishしたコネクタは、再度編集することはできない。 (内容を変更したい場合はJSONをコピーして新規に再作成)

カスタムコネクタの作成画面

作成の流れは以下のとおりです。

  • Custom Connectors タブ をクリック

  • Create a new connector をクリック

  • テンプレートを選択 (あるいは、ゼロから書き始める)

  • JSONの編集

  • JSONの形式が正しければ、Saveボタンが表示されるので、保存
  • Debugger画面で、実際にWebサービスと接続テスト

  • 動作確認ができればPublish
  • Claris Connectの画面で、フローを編集
    アクションの追加で、コネクタの選択画面が表示され、
    カスタムコネクタは、他のコネクタ群の上の方にリストされます。

Claris Connectの定義画面では、他のコネクタとまったく同じように表示される

ハンズオンWebinarの内容

Webinarは、参加者が自分で実際に開発環境に触りながら進めることで、開発のイメージを具体的につかむことができました。

– もっとも簡単に機能を確認するためには、テンプレートを使って、JSONのパラメータを書き換えます。既存のコネクタと挙動を比較することで、機能を簡単に理解できることが示されました。
– その後、ゼロからJSONを組み立てて行く方法も、1ステップずつ説明が行われました。
設定しなくてはいけないkeyとその階層構造は決まっています。それらを理解していて効率的に開発したい場合は、テンプレートも使用せず直接エディタにコードを入力することができます。そのときには、タイプアヘッドなどの入力支援機能で高速な入力が可能です。

利用できるサンプルコネクタ

以下のWebサービスAPIと連携するためのサンプルが提供されています。日本でもなじみがあるGoogleやOpenAIで試してみるのがいいかも知れません。

– Crunchbase (ベンチャー企業DB)
– Mosyle (Appleデバイス用MDM)
– OpenAI
– WordPress
– Clearbit (B2Bマーケティング)
– Google Maps
– Google Translate
– Autopilot (マーケティング)
– Shopify (Eコマース)
– DocParser (OCR)
– Mailgun (メール配信)

最後に

– 最後のQ&Aでも触れられていましたが、カスタムコネクタの開発を行うには、前提としてJSON, API, HTTPリクエスト, 認証についての知識が必要です。逆に、これらの最低限の知識があれば、社内で展開できる汎用的なAPI接続ツールを、短時間で簡単に作れるようになります。
– FileMakerユーザに対して無償化されたのと合わせて、このツールはClaris Connectの普及を促進させる起爆剤になりそうです。
– ヘルプページがすでに公開されているので、興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょうか?

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