終わってしまえばあっという間だった、Claris Engage 2024。
弊社 若林からは、連日速報記事が届けられました。
5年前に参加し、今回は居残り組だった私が、日本から見た様子をお伝えします。
5年前からの変化
今回はおよそ5年ぶりの開催ということで、前回は2019年でした。前回のカンファレンスは、社名が変更 (FileMaker → Claris) され、Claris Connect という新しい連携ツールが発表されるという、サプライズの多い回でした。
その後、何があったか?
世の中では、
- コロナ禍を経て、リモートワークが、普段の仕事でも現実的な選択肢になった
- 技術カンファレンスはオンラインイベントがデフォルトとなった。リアルイベントは、以前とは違う意義を持つようになった
- コロナ禍、ウクライナ情勢、円安などで物価が上昇。海外旅行は以前より難しくなったような…
- Facebook が Meta に、Twitter が X に変わった
- 2022年に ChatGPT が登場し、久々にIT分野の話題が世間を席巻した。業界全体が生成AIに向け、大きくシフト中
- その間にも、IT業界では以下のようなバズワードが世の中を賑わせた
メタバース/VR/AR/MR, AI/機械学習, 5G/仮想通貨, DX, …
また、FileMaker について言えば、以下のような変化が。
- v.19からより短いリリースサイクルに。その後、バージョン番号の代わりにリリース年が名称につくように(FileMaker 2023)
- Linux版サーバが提供された。当初は CentOS 向けとして登場し、現在は Ubuntu 向けに
- 機械学習モデルを構成
- アドオン
- Claris Platform、Claris Studio
- FileMaker Server でホストできるファイル数が256に、WebDirect 同時アクセスが1,000に
IT業界の5年は長いです..
海外パートナーの報告記事
さて、今回の Claris Engage 2024。海外の Claris パートナーの振り返り記事を見てみました。
5年振りの開催ということで、旧知のコミュニティメンバーとの再会を喜ぶ人が多かったようです。
- テキサス州の Apple Campus での開催
- 録画セッションの早期視聴は有料になり、公式動画配信はなし
- 600人超の参加者(例年の半分程度?)
- 一番の話題は AI
- FileMaker を中心に、Connect, Studio なども含めた豊富なセッション
FileMaker TV
Claris Engage Keynote Recap with Garrett Debski – Claris FileMaker Engage Keynote Recap
- 毎回恒例の、Richard Carlton さんによる現地からの中継
- Keynoteセッションの詳細をスライドごとにくわしく解説
Direct Impact
- Weihao Ding さんによる速報記事
- 他の記事でも触れられていましたが、Clarisが開発の透明性向上のために Claris Community で Backlog を公開したことが紹介されています(こちらから見ることができます)
- また FileMaker と AI について、FOMO (Fear of Missing Out) という言葉で、今手をつけることの重要性を語っています
Monkey Bread Software
MBS Claris FileMaker Blog – Claris Engage conference thoughts
- MBSプラグインの開発者である Christian Schmitz さんによる記事
- 今回はブースを出さなかったので、自由に会場を動き回ることができたそうです
- スクリプトワークスペース用のMBSプラグインの機能の一部が本家に取り込まれる可能性がある、ということについても触れられていました
Soliant Consulting
Claris Engage 2024 Technical Recap
- Sara Severson さんと Wim Decorte さんによる2本
- 大方の予想通り、一番の重点は AI にありました。Claris のスタッフと開発者コミュニティの両方から、今何ができて、これからどんなことができるようになるのかについて、多くの話題が提供されました
- Wim さんはセキュリティに関する自身のセッションで、AI開発に関わるセキュリティについて話しました。その関連で彼が注目しているのは、企業秘密を守るために、LLM を自社でホストする手法です
- FileMaker Server のエキスパートである Wim さんの記事では、Claris が Linux 版サーバに重きを置いていることが伝わってきます
LuminFire
2024-02-15 CPUG MN Claris Engage Recap
- Tim Cimbura さんによる、ユーザ会での報告の動画
- Engage会場の様子を詳しく伝えています。セッション内容だけでなく、会場周辺の様子や、食事事情など、いろいろ紹介されていて見ていて楽しいです
- 技術トピック、特にAIに関しては、別のブログ記事も出しており、そこに FileMaker と AI に関連するリンクも掲載されています
(蛇足ですが、Tim さんの2019年のカンファレンス報告では、ブースを訪れた私も少し紹介されていました)
Proof+Geist
Claris Engage 2024 Recap » Proof+Geist
- Martha Zinkさんが、コミュニティからの参加者との再会の様子や、イベントの舞台裏などを紹介しています
なお、通常は会の最後に次年の開催日・開催地が発表されるのが恒例だったのですが、それにはまったく触れられなかったそうです。リゾート地での開催であれば1年以上前に会場を確保する必要があるそうなのですが、コロナ禍を経て、そこまで大規模に開催するのはまだリスクがあるのかもしれません。現にClarisは、米国だけでなくヨーロッパでもカンファレンスを開催するなど、規模の縮小・分散化の方向に進んでいるのでは、という考察もありました。