Claris Connect は、ビジネスプロセスの自動化を実現する強力なツールです。FileMaker 開発者や IT 関連知識が少ない方でも、簡単に異なるアプリケーション間の業務プロセスを作成できます。本記事では、Claris Connect の特徴や利点、そして FileMaker との連携について詳しく解説します。
Claris Connect とは
Claris Connect は、クラウドベースの統合プラットフォームです。異なるアプリケーションを連携させ、業務プロセスを自動化することができます。例えば、FileMaker で作成したカスタム App のデータを他のサービスと連携させたり、複数のアプリケーション間でデータのやり取りを自動化したりすることが可能です。
Claris Connect の主な特徴は以下の通りです:
1. ノーコードでの操作
2. 多数のアプリケーションとの連携
3. カスタマイズ可能な業務プロセス
4. リアルタイムの自動化
5. セキュアなデータ連携
Claris Connect を使うべき理由
1. 業務効率の大幅な向上
Claris Connect を使用することで、手動で行っていた作業を自動化できます。例えば、FileMaker で管理している顧客情報を他のサービスに自動で反映させたり、特定のイベントが発生したときに通知を受け取ったりすることが可能です。これにより、人為的ミスを減らし、作業時間を大幅に短縮できます。
2. FileMaker との シームレス な連携
Claris Connect は、Claris FileMaker と非常に相性が良いツールです。FileMaker Cloud 2.18.0 および FileMaker Server 18.0.4 以上のバージョンと連携が可能で、カスタム App のデータを他のアプリケーションと簡単に連携させることができます。これにより、FileMaker の機能をさらに拡張し、より柔軟なシステム構築が可能になります。
3. 幅広いアプリケーションとの連携
Claris Connect は、多数のアプリケーションとの連携をサポートしています。また、カスタムコネクタを作成することで、独自のアプリケーションとの連携も可能です。これにより、既存のシステムを活かしながら、新たな機能を追加することができます。
4. ノーコードでの簡単操作
Claris Connect は、プログラミングの知識がなくても使用できるように設計されています。直感的なインターフェースを通じて、ポイント&クリックで業務プロセスを作成できます。これにより、IT 部門に頼ることなく、各部門が必要な自動化を実現できます。さらに、Web の知識が少なくても API 連携を簡単に構築することができます。この特徴により、技術的なバックグラウンドがなくても、複雑なシステム間の連携を実現できるのです。
5. セキュアなデータ連携
Claris Connect は、高度なセキュリティ機能を備えています。特に、FileMaker のデータを外部サービスと連携する際も、セキュリティを維持したまま操作できます。FileMaker Cloud との連携では Claris ID を使用した認証が自動的に行われるなど、安全性にも配慮されています。
Claris Connect の主な機能
1. フロー
Claris Connect の中心となる概念が「フロー」です。フローは、複数のアプリケーション間でデータをやり取りする一連の手順を指します。例えば、以下のようなフローを作成できます:
1. FileMaker で新規顧客が追加される
2. 顧客情報を他のサービスに転記する
3. チームメンバーに通知を送る
フローは、トリガーとアクションで構成されます。トリガーはフローを開始するイベントで、アクションはそれに続く処理です。
2. コネクタ
コネクタは、Claris Connect と外部アプリケーションを接続するためのインターフェースです。Claris は多数の既製コネクタを提供しています。
主要なコネクタには以下のようなものがあります:
– Google スプレッドシート
– Slack
– Box
– smartHR
これらのコネクタを使用することで、FileMaker と他の主要なビジネスツールとの連携が容易になり、より効率的な業務プロセスを構築することができます。例えば、FileMaker のデータを Google スプレッドシートと同期させたり、Slack との連携で FileMaker からの通知を自動的に送信したりすることが可能になります。
3. プロジェクト
プロジェクトは、関連するフローをグループ化するための機能です。例えば、「営業管理」というプロジェクトを作成し、その中に顧客管理、商談管理、売上管理などのフローを含めることができます。
Claris Connect と FileMaker の連携例
Claris Connect を使用することで、FileMaker と他の主要なビジネスツールを シームレス に連携させ、業務プロセスを効率化できます。以下に、Google スプレッドシート、Slack、Box、smartHR それぞれを活用した具体的な連携例を紹介します。
1. 顧客管理の自動化 (FileMaker + Google スプレッドシート)
FileMaker で管理している顧客データを、Google スプレッドシート を活用して効率的に運用します。
– FileMaker で新規顧客が追加されたら、自動的に Google スプレッドシート の顧客リストを更新する
– Google スプレッドシート で顧客情報が更新されたら、その変更を FileMaker のデータベースに自動で反映させる
– FileMaker の顧客データを定期的に Google スプレッドシート にエクスポートし、チーム全体で最新の情報を共有する
2. プロジェクト管理の効率化 (FileMaker + Slack)
FileMaker で管理しているプロジェクトデータを、Slack を使ってチーム全体で共有し、生産性を向上させます。
– FileMaker でプロジェクトのマイルストーンが更新されたら、自動的に Slack の特定のチャンネルに通知を送信する
– タスクの締め切りが近づいた場合、FileMaker から Slack を通じて担当者に自動でリマインダーを送る
– プロジェクトの進捗状況が FileMaker で更新されるたびに、Slack で定期的なステータスレポートを自動生成する
3. 文書管理の最適化 (FileMaker + Box)
FileMaker のデータベースと Box を連携させ、文書管理プロセスを効率化します。
– FileMaker で新しい顧客契約書が作成されたら、自動的に Box の指定フォルダにアップロードし、関係者と共有する
– Box 内のファイルが更新されたら、その情報を FileMaker のデータベースに自動で反映させる
– FileMaker から特定の条件に基づいて Box 内の文書を検索し、結果を FileMaker 内に表示する機能を実装する
4. 人事・採用プロセスの最適化 (FileMaker + smartHR)
FileMaker の人事データベースと smartHR を連携させ、採用プロセスを効率化します。
– smartHR で新しい採用候補者が登録されたら、自動的に FileMaker の人事データベースに情報を追加する
– FileMaker で従業員の情報が更新されたら、その変更を自動的に smartHR に反映させる
– FileMaker で管理している勤怠データを定期的に smartHR に同期し、給与計算に活用する
Claris Connect の導入ステップ
Claris Connect を導入する際の一般的なステップは以下の通りです:
1. Claris ID の取得:Claris Connect を使用するには、Claris ID が必要です。
2. サブスクリプションの選択:業務規模に応じて適切なプランを選択します。
3. プロジェクトの作成:自動化したい業務プロセスごとにプロジェクトを作成します。
4. フローの設計:自動化したい業務プロセスを設計します。必要なアプリケーションとその連携方法を明確にします。
5. コネクタの設定:使用するアプリケーションのコネクタを設定し、必要な認証を行います。
6. フローの作成:設計したフローを Claris Connect 上で実際に作成します。
7. テストと調整:作成したフローをテストし、必要に応じて調整します。
8. 本番運用:問題なく動作することを確認したら、実際の業務で使用を開始します。
9. モニタリングと最適化:運用後も定期的にフローの動作を確認し、必要に応じて最適化を行います。
まとめ
Claris Connect は、FileMaker 開発者にとって非常に強力なツールです。FileMaker のカスタム App と他のアプリケーションを シームレス に連携させることで、業務プロセスの自動化と効率化を実現できます。
ノーコードで操作できる直感的なインターフェース、豊富なコネクタ、高度なセキュリティ機能など、Claris Connect には多くの利点があります。これらの特徴により、IT 関連知識が少ない方でも、複雑な自動化を実現することができます。
Claris Connect を活用することで、FileMaker の可能性をさらに広げ、より柔軟で効率的なビジネスソリューションを構築することができるでしょう。