今回はFileMakerではなく、iPadに関する豆知識です。
最新の iOS 9.3 と同時期に発売されたiPad用のアクセサリ「Lightning – USB 3カメラ」。カメラと商品名に書いてありますが、
USB電源アダプタを使ってLightning – USB 3カメラアダプタを電源に接続すれば、ハブ、Ethernetアダプタ、オーディオ/MIDIインターフェイスや、コンパクトフラッシュ、SD、microSD用のカードリーダーといったUSB対応周辺機器をつなぐこともできる
と明記されました(リンク)。ついに待望の有線LAN接続が出来るようになったのです。早速社内確認したところ動作しましたのでレポートを公開します。
これまでiPadとインターネットをつなぐ時、Wi-FiやBluetoothなどの無線経由しか方法がありませんでした。
その為Wi-Fiが大混線するような、多数の出店者が集う展示会やiPadによる来場受付システムなど、システム的に安定したネットワークがないと使用しにくいケースがありました。またある医療機関ではWi-Fi電波が万が一にでも医療機器に影響がでないよう、Wi-Fi電波を遮断するエリア内のみでiPadを使用するなど対応されているということを聞いたことがあります。
実際は今回新発売されたアクセサリの従来製品である「Lightning – USBカメラアダプタ」でもこっそり出来たりしていたのですが、こちらは正式に対応を表明していませんでした。たしかに以前は出来ていたのにバージョンアップによっては出来なくなったり、再び出来るようになったりするなど、カメラ以外の接続は当たり前ですがおすすめできる状態ではありませんでした。
「Lightning – USB 3カメラ」アダプタと「Apple USB Ethernet アダプタ」を組み合わせて有線LANの安定したネットワークでiPadを使用できますので、今まで設置できなかったような場所での iPad 、FileMaker Go カスタムAppの利用が出来るようになります。下記は確認した機能です。
- インターネット
- FileMaker Goによる Server 接続
- AirPrint
- AirPlay
IPアドレスの指定などのiOS側の設定箇所は見当たりません。今回のテストでもDHCPによる自動割り振りです。
スピードはやはり速いです。AirMac Extremeの2.4/5GHzで15~20秒かかっていたダウンロードが7~8秒でした。
対応機種は Lightning のコネクタであるすべての iPad が対応とのこと。ちなみに iPhone でも同様に動作しましたが、対応機種に記載されていません。ということで、おそらくこのアクセサリが対応した理由は次のように予想できます。iPad Pro が登場してデスクトップ並みの処理ができるようになった。すべてが早くなったがWi-FiかBluetoothというネットワークがボトルネックになってしまい、スピードが出ない。不本意ながらもデスクトップ並みの処理をする iPad に関しては有線LANを提供。その為 iPhone にはこのアクセサリは必要ない。iPhone のカメラ接続は従来からのアクセサリで。という意図を感じます。
ちなみに、その他のUSB機器を接続してみました。これらは正式に対応を記載されてはいません。型番はここではお伝えしませんが、出来るものできないもの、機種によって結果が異なるものが混在しているようです。すべての機器で出来るというわけではないようで、機種ごとに確認されるといいと思います。そして正式に対応とは書いていないので、今後のバージョンによっては出来ないかも、、、という不安は残ります。
- USBキーボード:1機種確認してOK
- USBテンキーボード:1機種確認してOK
- USBバーコードリーダ: 2機種確認してOKと対応不可
- USBカードリーダ(スワイプタイプ):1機種確認して対応不可
- USBマウス:もちろん出来ません!
- USB接続外部モニタ:もちろん出来ません!
- USBプリンタ:もちろん出来ません! (ただしプリンタ系はネットワーク経由で可能です)
弊社では月に何度も iPad プレゼンテーションすることが多く、動画の再生、インターネット経由のサービスのデモ、FileMaker Serverとの接続デモなどネットワーク負荷が高いプレゼンテーションを行うことが多いです。その為実は、ネットワークが接続できなかった場合のデモ第2案を密かに準備する機会も多く、そんな当日は「ネットワークトラブルに巻き込まれたら悪い印象を与えずにいかにスムーズに第2案に切り替えるか」というのが一番緊張するところです。
これからのデモはこのiPad有線ネットワーク、AirPlayやMacインターネット共有などを併用すれば万全の体制で安心ですね。
2017.04.14 追記
iOS10あたりから(正確な時期は把握していません 10.2から機能変更されたとのこと Macお宝鑑定団より )機能が良くなっていました。
まず、アダプタを差し込むと、「アクセサリアップデート」が必要になります。詳しくは Macお宝鑑定団 でも紹介されています。
また、以前と仕様が変更になり、「Apple USB Camera Adapter」は USBケーブルを挿すだけでは、動作しなくなりました。
しかしこれは同時に、Lightningケーブルも挿すことで、動作するよう変更になっています。
また、以前は有線LANが動作しているときでも、設定画面に変化はなく、LANのIPアドレスに関する設定ができませんでした。
しかし、現在は(iOS10.2.1で確認済み)、「Apple USB Camera Adapter」と「Apple USB Ethernet アダプタ」とLightningケーブルを挿すと、設定にEthernetの項目が増え、IPアドレスに関する設定確認や変更ができるようになっています。
必要な機器を下記に記載します。
- Lightning – USB 3カメラアダプタ
- Apple USB Ethernet アダプタ
- Lightning – USBケーブル(おそらくこれは電源供給さえできれば代替品でも可能)