KBS Cloud for GCP Windows をリリースしました

CRM / SFA とは

CRM や SFA というワード

CRM SFA というワードを一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
それぞれ 顧客管理 とか 営業支援 のITシステムということも聞いたことはあると思いますが、
具体的な機能や必要性などイメージしづらい方が大半ではないかと思います。
それでも、具体的なイメージが見えれば
「あ、これ正に自分の会社に必要なやつじゃん」
と理解してもらえると思い、今回投稿しました。

CRM が必要になった背景 と 求められる機能

見積書などをExecelで作って保存、共有するという会社は多いと思います。

  • USBメモリに保存
  • 関係者にメール添付送信
  • ネットワークの共有フォルダーに保存
  • クラウドストレージに保存して共有

この場合過去の見積書を探すとき、フォルダー名で見積を検索するしかないので不便です。
また特定の文字を含む全文検索では、逆にヒットしすぎてこれも不便です。
そこで検索するときは品名や金額など記載してあるすべてのデータで検索できるようにと、
見積データベースを作る。FileMakerで。ここまではよくある話だと思います。

それでも一般的な組織では1つの顧客の見積は社内の複数メンバーと情報共有が必要です。
そして見積をこれから作成するときは、単に過去の見積が見られればいいだけでなく、
見積に至るまでの問い合わせ履歴、過去の営業担当者の引き継ぎ事項、類似するサービスの契約状況など、
見積には複数の情報を確認したいことが多いと思います。

このように、問い合わせデータベース、契約データベース、見積データベースなど情報が分散していて、
いろんなデータベースに対して必要な情報をそのつど検索して確認するのではなく、
1つの顧客に関してさまざまな情報をひと目で確認できるようにした方が便利です。
このように1つの顧客に関する現在・過去・未来の履歴情報すべてを、
顧客の画面1つに集約したデータベースシステムがCRMです。

どの会社でも担当者だけでなく、電話応対するスタッフ、修理や専門技術をもつスタッフなど、
1つの顧客には複数のスタッフで対応し、記録すべき情報が各々分散して蓄積されてしまいます。
CRMを使用すれば管理者や責任者が顧客の状況をすばやく把握でき、
現場の方も自分一人ではなくチームで責任を持った顧客対応ができるようになるので、
CRMは顧客との対応力向上、売上向上に役立てるシステムとして必須のものです。

SFA が必要になった背景 と 求められる機能

1980年台までの高度成長時代からこれまでの営業管理の時代変化を一言で表すと、

  • 何でも売れる時代「結果さえでていればよい」セールスごとの成績集計するニーズ
  • 売れない時代「優秀セールスのコピーを作る」セールスの行動分析するニーズ
  • 終身雇用崩壊やインターネットの時代「最低限のデータ管理でベースアップ」属人化よりも標準化

というニーズに変化してきています。

何でも売れる時代の結果さえでていればよい管理であれば、訪問件数、見積件数、成約件数などを集計し、
管理者が部下を叱咤激励指導するためのもので、SFAとはいえない単なる集計表で十分でした。

売れない時代は、優秀セールスマンの行動分析から、
セールス全体のベースアップを図るというSFAが数多く存在しました。
しかし「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」といわれるとおり、
優秀セールスマンの行動分析から非優秀セールスマンが真似(そもそも真似できない)をしても、
そう簡単に成績が好転するような世の中ではありませんでした。
また「これを実施したら次はこれをやりなさい」とセールスマンの行動を束縛するシステムはイヤなものです。
弊社で過去にSFAにトライしたことがあり、そのとき悩んだことは
SFA通り行動しても結果が出ないセールスと、SFAには不真面目だが営業成績は優秀なセールス」
のどちらが良いのかの矛盾です。会社としてSFAに取り組んだのだから結果がでなくてもやり続ける我慢はそう長くは続かないものでした。
さらに現代ではどの業界でもトレンドや商環境の変化が激しいこともあり、
SFAは下火になったと言わざるを得ません。

それでも、いつの時代でも良いセールス成績を出すには効果的なデータ分析は欠かせません。

  • 見積を提出したけど結論がでていない自分の担当見積、現在受注率の高い見積の傾向を探る
  • 日報情報から、最近ご無沙汰の上顧客、前任担当者に比べて訪問頻度の増減を確認
  • 契約や案件情報から、そろそろ契約更新時期のもの、5年前に失注した案件、最近受注率の高い契約や案件を分析

これらの情報は効果的なセールスを促進する重要なデータであり、
またセールスの活動を束縛どころか後押ししてくれるデータです。

現代では契約情報や、見積情報などすでにデータとして登録されていると思います。
CRMは顧客を中心にさまざまなデータをひと目でわかるようにするシステムですが、
社員を中心にさまざまなデータがひと目でわかるようにするSFAも、
今求められているシステムではないでしょうか。

FileMakerで実際にCRM / SFAを構築してみる

新規に作成する場合は次の作成手順になります。

  1. テーブル
  2. フィールド
  3. リレーションシップ
  4. レイアウト
  5. スクリプト

1. テーブル

顧客テーブル、社員テーブルが必要です。
次に営業報告、問い合わせ、案件、見積、契約など日々発生するデータのテーブルが必要になりそうですが、
最初はどれか一つから始めると良いでしょう。

今回は顧客テーブル、社員テーブル、見積テーブルの3つのテーブルでスタートする例を考えてみます。

2. フィールド

リレーションシップの基本は一意(ユニーク)な値をもつフィールド各テーブルに必要です。
これは「主キー」や「PK(プライマリーキー)」フィールドといいます。
FileMaker バージョン17からは「主キー」フィールドが自動的に作成されます。

社員テーブルに「主キー」フィールドがあることを確認し、
社員名を格納する「名称」フィールドを追加すれば良いでしょう。

 

次に顧客テーブルと社員テーブルは「顧客の担当者」という紐づけをしたいですし、
見積テーブルでは「見積の宛先顧客」、「見積の作成社員」という紐づけをしたいと思います。

リレーショナルデータベースでは、異なるテーブル間のレコードを紐付けるために、
どちらか一方のテーブルに相手方のPKを格納するフィールドを作成します。
これは「外部キー」や「FK(フォーリンキー)」フィールドといいます。

顧客テーブルに「主キー」フィールドがあることを確認し、
顧客の担当者の主キーを格納する「社員キー_担当者」フィールド、
顧客名を格納する「名称」フィールドを追加すれば良いでしょう。

 

今回の例では見積はエクセル等で作成し、
ファイルメーカーにはエクセルファイルをまるごと「ファイル」フィールドに格納します。
また、SFAとして分析したい項目は専用のフィールドを用意して集計しやすくしたいので、
見積テーブルには「見積日付」「状況」「金額」などのフィールドがあると良いでしょう。

3. リレーションシップ

これらのテーブルをリレーションシップでつなぐと次のようになります。

 

今回の例は簡単なので問題ありませんが大規模なソリューションになると、
このリレーションシップが見にくく、メンテナンスしにくくなってきます。
リレーションシップを見やすくる方式が世界中のファイルメーカー開発者から提唱されています。
弊社で基本としてる「Anchor/Buoy(アンカーブイ)」方式でリレーションシップを設定すると次のようになります。

4. レイアウト

以上の設定で、社員レイアウト、顧客レイアウト、見積レイアウトが作成できます。

社員レイアウトには2つのポータルが設置できます。

  • 「社員_顧客_担当者」のレコードを表示するポータルは、表示している社員が担当者となっている顧客一覧になります。
  • 「社員_見積_作成者」のレコードを表示するポータルは、表示している社員が作成した見積一覧になります。

 

同様に顧客レイアウトには、

  • 「顧客_見積_宛先」のレコードを表示するポータルは、表示している顧客が宛先の見積一覧になります。

これらのレイアウトを作成し、FileMakerの検索機能を使えば、
次のようなことができる便利なシステムになっています。

  • 同じ品名、同じ状況、似たような金額の見積を検索できる(見積データベース)
  • 顧客の画面では過去の見積が一覧表ですぐ見られる(CRM)
  • 同じ品名、同じ状況、似たような金額の見積を登録した顧客を検索できる(CRM,SFA)
  • 同じ品名、同じ状況、似たような金額の見積を登録した社員を検索できる(SFA)

5. スクリプト

例えば、週末に「今週作成された見積の一覧表を印刷して配布する」ことによる情報共有で、
営業同士のアドバイスを活性化したいとします。
その他、SFAとしていろんな営業支援データが考えられます。

  • 新規見積発行枚数と売上は少なからず連動するので、売上予測を顧客別、社員別に集計
  • 状況の中から、受注/失注の率を計算し、顧客別、社員別に集計
  • 作成日から1ヶ月経過しても状況に変化がない見積を、社員別に集計
  • その他 みなさんのアイデア次第

これらの集計は人間の操作で、画面を開き、検索し、印刷することが可能です。
そして、FileMaker ならその人間の操作をスクリプトに置き換えることで、自動的に実行させることができます。

 

さいごに

弊社では2004年から社内にCRM SFAを社内開発し、KCSD21という製品名で販売をしておりました。
近日中に、WindowsPCMaciPadAndroid対応など最新の環境に合わせた新製品を発売予定です。

注目していただきたいのは、FileMakerで作られたファイルの中身をどなたでも見られるよう、
完全アクセス権付きで機能の一部を公開する予定です。
FileMakerCRMSFAを自社開発されるときの参考にしていただければ幸いです。