藤本です。
2022年6月30日(日本時間)に行われた、FileMaker 19.5 に関する技術解説セミナーの概要を紹介します。
Under the Hood は、
通常は明かされることがない奥深くの技術情報が得られるセミナーで、
いつも人気が高いセミナーです。
セッション概要
今後の製品リリースサイクルについて
今後は最低年2回程度の予定
- 19.6は11月頃?
- サーバ強化、クライアント (Pro, Go)強化を交互に
FileMaker 19.5の変更点
今回紹介された内容の日本語の詳細は以下のページにあります。
ここはご紹介を省略させていただきます。
Claris FileMaker 19.5 を提供開始 – Claris Community
Claris FileMaker 19.5 関連技術情報のリンク
FileMaker Server on Linux
- 2バージョンをサポートするのは初
- Ubuntu 18.04と20.04は別OSと言えるくらい違いがあり、次回リリース(19.6)時は20.04のみ対応予定
FileMaker Server パフォーマンス
パフォーマンスの改善について、実際のデモの様子が紹介されました。
- [名前を付けて XML として保存] スクリプトステップのサーバー上のスクリプト実行 デモ
クライアント側で35秒かかっていた処理が、サーバ上では0.26秒で完了し134倍の高速化 - サーバサードの集計 デモ
10,000レコードのテーブルで、クライアントで36秒かかっていた処理が、サーバ上処理は15秒で完了し60%の高速化 - パラレルバックアップ デモ
シングルスレッドのバックアップで 6分33秒、パラレルバックアップで 4分25秒。33%の高速化
名前を付けて XML として保存
- XMLの形式が混在(XML1, XML2)していて解析処理が複雑になるため、XML2に統一を進めている
- timestamp、UUID、CDATAエスケープシーケンス、外部データ参照時のTable Missing関連を修正
Q&A
- 19.5.1ですでにバグが判明している。アップデートの予定は?
- 19.5.2を予定 (in next few weeks; 3週間以内?)
- 含まれる修正内容
- replace field contents(?)が遅い
- レイアウト上で隠す条件が設定されたPDFの保存と印刷で不具合
- quotes functionがないアドオンを修正したが既存のシステムに影響が出たため、元に戻す予定
- オブジェクトフィールドを対象にしたスクリプトでスクリプトエンジンの反応がなくなる
- Ubuntu 20.04のSMTPメール送信で不具合
- Windows Server 2022がサポートされるのはいつか?
- 19.6がターゲット。(late summer or early fall?)
- (今回対応したという)400のバグの内容は文書化されるか?
- 工数の関係ですべては文書化できていないが、リリースノートでは150について記述している
- 「集計フィールドをサーバで計算」は、サーバの稼働率によってサーバで実行するかどうかを判断するが、サーバのCPU使用率はどう評価されるのか?
- パラレルバックアップを使いたくない場合とは? なぜデフォルトでオンにしないのか?
- パラレルバックアップはファイルが多数ある場合、どうグループ化されるか?
- 1つの巨大なファイルの場合、バックアップはシングルスレッドかマルチスレッドか?
- シングルスレッド
- バックアップをキャンセルしたら、処理中のファイルはどうなるか?
- ファイルは消去され、ハードディスクにゴミは残らない
- PDF containerのWindows上での挙動について。Edgeでの移行でPDF関連機能が失われたが、19.5で改善されたか?
- まだ。Microsoftの対応を待っている
- Ubuntu 20.04版は、まだ製品で使うべきでないか?
- 使用する場合はよくテストして
- Edge Condition(限界条件)で使用される場合は、注意して