Claris FileMaker 2024 新機能ブログ『[管理者の役割]で役割フォルダの共有』

概要

[管理者の役割]はClaris FileMaker Server 19.6.1にて追加された機能です。FileMaker 2023(バージョン 20.3)までは1つのデータベースフォルダパスに1つの役割しか設定出来ませんでした。新しい FileMaker 2024では機能向上され、1つのデータベースフォルダパスに複数の管理者を割り当てる事が可能となり、役割対象のフォルダの共有が可能となりました。

[管理者の役割]についておさらい

FileMaker Server 19.6.1にて追加と書きましたが、実際にはFileMaker Server 16以前にあった「管理者グループ」と同等で、画面と機能が一新されました。[管理者の役割]はAdmin Consoleの機能を利用できる管理者を複数登録する事が可能で、登録した管理者ごとにアクセス権を設定して利用できる機能を許可/禁止するなどの制御を行う事が可能です。

設定例

①図のようにアップロードされているデータベースファイルが、下図の様に分けられたフォルダに振り分けてアップロードしている環境の例です。

(登録データベース)

(フォルダ振り分け状況)

②[管理]−[管理者の役割]−[役割の作成]にて下図の様に設定を行います。
役割の名前 ・・・ Admin Console のログインユーザ名(Test_A)
パスワード ・・・ Admin Console のログインパスワード(任意)
アクセス権 ・・・ Admin Console で制御可能な機能を設定(「データベースで操作を実行」にチェック)
外部グループ(オプション) ・・・ Admin Consoleへのログインにて外部認証を利用する場合に設定(空白)

③Admin Consoleへ②で作成した「Admin_A」でログインします。

結果1)[管理者の役割]を設定した事によりタブの数やメニュー項目が使用可能なものだけに絞られます。

管理者の役割にて設定した管理者でログイン

結果2) ②の[役割の作成]で設定時に「データベースフォルダパス」に指定したFolder_Aフォルダにアップロードされているファイルのみ表示されます。

全体管理者(通常)でログイン

管理者の役割にて設定した管理者でログイン(Folder_Aフォルダの中のみ表示)

結果3) ②の[役割の作成]で設定時に「アクセス権」で「データベースで操作を実行」にチェックを入れた事で、データベースの開閉やダウンロード等を行う操作メニューも開くことができます。

FileMaker Server 2024での[管理者の役割]新機能

従来は[管理者の役割]設定時に指定する「データベースフォルダパス」は、既に設定済の「データベースフォルダパス」は指定出来ませんでした。

※同一フォルダは指定不可能

FileMaker Server 2024での新機能

※同一フォルダを指定可能

新機能まとめ

以前のバージョンでは対象のフォルダ1つに対して1つの管理者しか割り当て出来なかった為、管理者が複数人の場合も同一のアカウントを使うしかありませんでした。FileMaker Server 2024からは複数の管理者が同一のフォルダを対象として設定可能な為、よりセキュリティの高い細やかな設定が可能となりました。