前回の Kotobuki Training Camp 2023 in Okinawa から2年ぶりに開催。
今回は 2 年前に新しくなった弊社の本社「unClouded Lab」で開催。
ちなみにこの「unClouded Lab」は、単なるオフィス機能だけでなく、働き方改革とデジタル変革の現場としての機能を果たす実践型ショールームとして設計されました。
私たちが設立した「unClouded Lab」の名前には、
雲一つない晴れ渡った空、つまり「unclouded」の意味が込められています。
それは、IT化、DX、働き方改革に対する疑問が解消され、
課題が明確に見えるような場所を私たちが創り出すという意志を表しています。
開催趣旨
事業の安定成長
会社経営的には売上はもちろん利益がないと事業継続できない。
経営者目線で見ると、安定した利益のためには、リスクの高い受注よりもリスクの低い受注が良い。高度な技術が必要な高級開発者じゃなく、初心者や外注でもできるような仕事を安定的に受注する方が安定した利益としては理想的となる。
開発者個人の安定と成長
事業の安定は結果的に個人の生活の安定につながるけど、開発者個人の立場で考えるとそれは理想とはいいがたい。
誰でもできる仕事は技術のアップデートの機会がない。組織の安定のためにはなるべく期間の長いものが喜ばれるので、安定的な売上粗利を作れるプロジェクトの開発者は収入が増えるようにみえて、実は技術が固定化・陳腐化、つまり浦島太郎化しやすい。
相反する2つを融合
弊社ではそもそも Claris FileMaker が面白い! と仕事が楽しいと思えるような人が中心で、年齢も関係なく新しい技術にみんな興味はある。
しかし日々の仕事におわれまた技術のアップデートの機会も少なくなりがち、さらに昨今の Claris 製品のすさまじい勢いでアップデートされていて、知らないのはもったいない機能ばかり。
定期的に強制的な勉強する機会を設けることできっかけにしてほしい。
仕事は楽しく気軽に相談できる環境に
弊社の場合お客様が日本のどの地域であっても、当地のスタッフだけで開発することはほぼなく、東京、名古屋、金沢のメンバーがその距離を超えてプロジェクトを一緒にすすめていきます。Web Meetingやチャットで頻繁にやりとりしているものの、業務外の話題も含めて、同じ仕事をする仲間として意識の共有を図りたい。精一杯楽しみ、楽しい時間を共有し、いつか聞いてみたかった、言ってみたかった話もし、コミニケーションを図り、また後日でもあとの時の・・・と会話のきっかけになれば。
日程
Day 1
12:00 金沢駅集合
12:00 – 13:00 2版に分かれて金沢を代表するラーメン店 大河 / 8番ラーメンへ
13:00 – 17:30 Training Camp
18:00 – 20:30 金沢といえば回転すし!回転しない「海天すし」へ
Day 2
08:30 全員朝礼
08:30 – 12:00 Training Camp
12:00 – 13:00 2班に分かれて 金沢カレー と 富山ブラックラーメン へ
13:00 – 17:30 Training Camp
19:00 – 21:00 全国のメンバーが一同に集まるのは初の社内全体での新年会
Day 3
08:30 – 全員朝礼
08:30 – 12:00 Training Camp
12:00 – 昼食 2班にわかれて 8番ラーメン / へ
13:00 – 各自解散、金沢観光
Kotobuki Training Camp 2025 プログラム
システム部方針
強化・継続・終息の方針を社長より発表後ディスカッション。
自社新製品レビュー
最近は自社製品のリリースも増えてきて、自社製品のこともわかっていないわけにはいかない、ということでおさらいしました。
Claris Connect 外部連携サービス「KAC」
KAC(Kotobuki shokai APIs & Connectors)の位置づけを確認。
社内の人でもこの有用性を理解しておらず、説明不足の点をみんなで確認し今後の充実するポイントを洗い出した。
Claris FileMaker バージョン管理システム「Devin」
バージョン管理がなぜ必要なのか DevOps について学ぶ。
Devin の現状バージョンで可能なことや近い将来の開発計画を共有し、自社実践のますます活性化について議論した。
まだ完全にラインナップが揃ってはいない感触だが、ますます高度化するカスタム App の構築になくなてはならないツールになると感じる。
Claris FileMaker Server ホスティング「KBSクラウド」
FileMaker Server のホスティングであることは知っていても、弊社独自で行っている保守管理について情報共有。
Google Cloud API や FileMaker Server Admin API を使いすべてのお客様のクラウドを集中管理する弊社独自の ファイルメーカー、SSH や RDP 、FTP など攻撃を受けやすいポートを閉じつつも、FileMaker Server のバックアップファイルを取得する仕組みなどを学んだ。
価格や単純なスペック比較には現れない部分を真面目に丁寧に対応している自慢のサービスと感じます。
Claris 最新技術
近年リリースされた新機能について、基本機能だけでなく使い所・ハマりどころ・速度比較などを詳細に意見交換しました。
Claris Connect
2025年1月からの有料カウント対象外のステップだけを使って、どんなことが可能か確認。Webhook , HTTP リクエスト , FileMaker Cloud や Claris Studio との連携、Approval コネクタについて学ぶ。
これはもう全員が使用するべきツールだと認識。
セマンティック検索
セマンティック検索と AI 連携の違い、セマンティック検索の得意・不得意を確認。
テキスト * テキスト で、写真 * 写真で、テキスト * 写真でのセマンティック検索で考えられる事例などのアイデア出しをみんなで実施。
「 AI 連携したい 」という話が、現状のセマンティック検索中心の FileMaker でできることはもちろん、できないことはなんなのかのディスカッションでより理解が深まりました。
AI 連携
ChatGPT や Perprexity の Web App の利用方法、Gemini App の拡張機能 / Gemini Advanced / Gem 機能 , Gemini for Google Cloud , Gemini for Google Workspace , Notebook LM , Deep Research , Gemini AI Studio , Vertex AI など Google の AI 関連サービスを一通り確認。
こちらはどちらかというと LLM 連携についての色合いが濃かったです。Google だけでも様々なサービスがありますが、あらゆる方面の AI 機能を手当たり次第に拡大しているというよりもそれぞれのデメリットを補完して特長とするように、すべてが「LLM を便利に有効活用」という方向で繋がっているみたい。2025 年は個人としても組織としても LLM を普通に使う時代と感じられる。
トランザクション
従来のポータルを使ったトランザクションの仕組みと、最近搭載されたスクリプトステップを宣言するだけで利用できるトランザクションを使うとどのようなことができるか比較確認する。
とくに、エラーがあったら自動的に復帰処理へジャンプする/しない、新しいスクリプトステップで無視した場合など、さまざまな組み合わせがあることを確認した。
一言でいえばやっぱり難しいという感。完全に理解してからしっかり制御して使うか、もしくは何もわかっていないけど「トランザクションを開く」を入れていれば安心という両極端な使い方になると思った。
Loop フラッシュ
最新版では、Loop の高速化のために、常に / 最小 / 延期 でどのような変化が出るのか、また注意点などを確認した。
FileMaker データベースエンジンは、バージョン 20.3.1 以降、より多くのリレーションシップをキャッシュするようになっているとのこと。実際の速度だけでなく詳細動作を確認したくても、スクリプトデバッガとデータビューアを有効にしていると、「常に」の動作と同じになっていまうので、比較検証はなかなか難しかった。
FileMaker Data API を実行 スクリプトステップによる書き込み
スクリプトステップの FileMaker Data API の実行 による複数レコードの作成、更新について確認。
複数テーブルにまたがる複数レコードのトランザクション処理は、このスクリプトステップ 1 つに任せる手法に一同大絶賛。
さらに、レコード確定前にレコード編集開始直前のレコード状態を取得する手法など、これはいろんなケースの Tips の鍵になる技術であると認識した。
onWindowTransaction
聞いて入るけど使ったことがない人が多く、別ファイルへのログ保存、別ファイルからのレコード操作など、使い所や注意点を共有した。
レコード削除時に削除直前のレコード内容を取得する手法などの Tips を学んだ。
ローカル通知
使い所や、出る時 / 出ない時の条件を確認。特にこれをデモするときには OS の設定により通知が出ない場合があり最初そこでハマる。
ユーザーインタラクションに影響がないことをどう活かすかディスカッションでいろんなアイデアが出た。
レイアウト計算
レイアウト計算が設定済みのファイルを、バージョンが異なる環境で開くとどうなるか確認。
通常のフィールドを配置する場合との比較で、表示速度の違いを詳細に確認してこの有効性を強く認識した。
コールバックを使用してサーバー上のスクリプト実行
サーバー上のスクリプトを実行との違いを確認。とくにサーバー上で実行中にクライアントが切断されたときの動作について詳細に確認した。
またサーバー上のスクリプトがたくさん動いたときの CPU 稼働率を確認し、今は積極的に使用しても問題なさそうなことがわかった。
JSON 関数
新しい [+] や [:] の使い方、JSONSetElement 第4引数 JSONRaw (0) について詳細に確認した。
コマンド K
リレーションシップグラフの検索機能としても利用できるとても便利な機能。
FileMaker がどんな状態のときでも動作し、完全アクセス権ではないユーザーに動作させない手法について学んだ。
Claris 製品のココだけの話
ファイルが壊れる操作、壊れた時にどうなるか、どう対処するか
これはなかなか表に出てこない各自がもつ経験情報なのでとても参考になった。
また、索引が壊れるとどうなるか、どう対処するかも話が及んだ。
Data Migration Tool / Custom App Upgrade Tool / FMDeveloperTool
Data Migration Tool の実演デモを実施。速度の速さや各オプションの理解を徹底した。
Data Migration Tool はいろいろなオプションがあるけども、特にオプション指定しないまま使用してなんら問題なく、今後は使っていくようにしたい。
Claris FileMaker Server 19.6.4 , 20.3.2 とそれ以前のセキュリティーの違い
重要なセキュリティ更新というけど詳細な情報が公式に公開されていません。
弊社が独自に集めた重要なセキュリティーアップデート2件について、その前後でどのような違いが出るかデモで確認した。
あらためて最新版を使うように布教していきたい。
Claris ビジネスアップデート
Claris Partner 向けに公開された情報をどのように読み取るべきか共有した。
さいごに
プログラムの内容は非常に高度ながらも、
講師役の言っていることをメンバーがほぼ理解できる平均レベルの高さ、
それぞれのテーマで質疑応答が活発に行われ、
各方面に詳しいスタッフが社内にたくさんいる頼もしさ、
実質2日間でこれだけたくさんの内容の話ができたことは、
振り返ってみるとすごいなと思いました(若林)。
【 開発者募集中 】
弊社では Claris FileMaker を使った高度な開発力で、iPad / iPhone 、Google Cloud 、AI のビジネス利用を楽しく発展させていく仲間を随時募集しています。
詳しくは採用ページをご覧ください。