Claris FileMaker 2024 (21.1) で追加された「デフォルトのレイアウトテーマを設定」機能は、FileMaker 開発者にとって画期的な新機能です。この機能により、レイアウト作成時の効率が大幅に向上し、より迅速な FileMaker 開発が可能になりました。
今回は、この新機能の利点と設定方法について解説します。
機能の重要性
これまでの FileMaker バージョンでは、新しいレイアウトを作成するたびに、デフォルトテーマ(アペックスブルー)を手動で変更する必要がありました。特に多数のレイアウトを扱う大規模な FileMaker 開発プロジェクトでは、この作業が大きな負担となっていました。
設定方法
1. メニューバーからアクセス
[ファイル] メニュー > [管理] > [テーマ…] をクリックします。2. テーマの管理ダイアログ
テーマの管理ダイアログが表示され、以下のテーマの一覧が表示されます。
- アペックスブルー
- 現在のファイルで使用中のテーマ
- 新規作成したカスタムテーマ
- インポートしたテーマ
3. デフォルトテーマの設定
使用したいテーマを選択し、「デフォルトとして設定」ボタンをクリックします。これにより、以降新しいレイアウト作成時に、選択したテーマが自動的に適用されます。
注意点
・この設定はファイルごとのものであり、他の FileMaker ファイルには影響しません。
・新規ファイル作成時には引き続きアペックスブルーがデフォルトとして設定されています。新しいファイルでカスタムテーマを使用したい場合は、必ず設定を行う必要があります。
おすすめの手順
1. 新規ファイル作成
2. テーマのデフォルト設定
テーブルを作成する前に、自分好みのカスタムテーマをインポートし、そのテーマをデフォルトとして設定します。
既存のテーマをデフォルトとして使用したい場合は、新規作成時に自動生成されたレイアウトを選択し、任意のテーマに変更後、再度「デフォルトとして設定」を行います。
3. テーブル作成
最後にテーブルを作成すると、自動生成されるレイアウトにも選択したデフォルトテーマが適用されます。
テーマの管理のポイント
FileMaker WebDirect では、一つのファイルに複数のテーマが存在することは推奨されません。
必要なレイアウトテーマがブラウザのキャッシュに存在すれば再利用されますが、無い場合はサインイン後にレイアウト切り替えするたびにテーマのダウンロードが発生し、処理の負担が増加します。
このため、WebDirect で使用するレイアウトはレイアウトテーマを 1 つに統一することが理想的です。これにより、ブラウザのキャッシュを効率的に利用し、パフォーマンスを向上させることができます。
まとめ
Claris FileMaker 2024 のバージョンアップでは、スクリプトステップのオプション設定のデフォルト値の変更など、さまざまな小さな改善が行われました。
これらの変更は、効率的な FileMaker 開発を促進するものばかりです。「テーマをデフォルトとして設定」機能を使用しなくても FileMaker 開発は可能ですが、こうした機能を少しずつ取り入れることで作業効率が向上することは間違いありません。
簡単に設定できるので、ぜひ皆さんもこの機能を活用してみてください。快適な FileMaker 開発環境を手に入れましょう!