Claris FileMaker にしゃべらせる JavaScript と SpeechSynthesisUtterance

しゃべらせる

以前本ブログでも書き、fmgo.jp でもサンプルファイルを提供していた「FileMaker Goにしゃべらせる」機能。
ブラウザの都合とFileMakerの都合により、Claris FileMaker Go または Claris FileMaker Pro MacOS 版のみしか実行できませんでした。
Claris FileMaker Pro MacOS 版ではもともと「読み上げ」スクリプトステップがかなり古くから使えていましたので、
Web ビューアを使ってしゃべらせることができるのは実質 FileMaker Go だけでした。

2020年5月に発売された Claris FileMaker の新バージョン19から、「Web ビューアで JavaScript を実行」スクリプトステップが追加されました。
これにより、JavaScript の記述方法が簡易にできるようになっただけでなく、
これによりこれまでできなかった、WebDirect クライアントでも動作させることができるようになりました!

サンプルファイルの解説

セットアップについては解説が長くなりそうなので、
下記よりサンプルファイルをダウンロードしてください。

サンプルファイルはこちらからダウンロードできます

レイアウト
  • 画面上見にくいですが、左辺0上辺0の位置に幅1高さ1の Web ビューアを設置しています。この Web ビューア のオブジェクトの名前に「web」を設定していることが確認できます。スクリプトからこの Web ビューアを操作するとき必ずこの名前が必要になります。
  • 開始、終了、一時停止、再開のボタンはそれぞれ準備しているスクリプトを実行します。
スクリプト
  • 7行目で必要な HTML 、 JavaScript を記述しています。
  • 8行目で Web ビューアに HTML を表示しています。
  • 10行目で、7行目で作成した関数 speakAct を呼び出し、引数に読み上げテキストを渡して実行しています。
  • 終了、一時停止、再開は、作成した JavaScript 関数を実行しているだけです。

憎き Internet Explorer 11

残念ながら、Internet Explorer 11 からの WebDirect 、
Web ビューアのエンジンとして Internet Explorer 11 を使用する Claris FileMaker Pro Windows OS 版については、
JavaScript エンジンに SpeechSynthesisUtterance が組み込まれておらず、
今回の仕組みは使用できません。

外部の API サービスと連携するしか方法はないですね。
「Text to Speech」でググると有名どころ各社のサイトへ行けると思います。

FileMaker 19.3 で Windowsにも対応 !

2021年6月に登場した FileMaker 19.3 。
このアップデートで Windows版 FileMaker Pro の Webviewer エンジンが Edge に変更され、
新しめの JavaScript が使えるようになりました。
本投稿の SpeechSynthesisUtterance も組み込まれており、
サンプルファイルは何も手を加えずに、Windows版 FileMaker Pro 19.3以上で動作します。

ということで、バージョン19.3以上の環境では FileMaker が動作するすべての環境で動作することになります。