FileMaker Cloud for AWS 1.x 終了と切り替えタイミングについて

FileMaker Cloud は現在2種類あり、その1つが対象

まず先に理解を頂きたいのは、FileMaker Cloud は現在2種類あることです。

1種類目は、バージョン15の発売からバージョン18までの間まで FileMaker Cloudと言われていたものです。
この期間ではこの1種類しかありませんでした。
現在では「FileMaker Cloud for AWS」もしくは、
「旧の FileMaker Cloud」とか「FileMaker Cloud 1.x」などと言われたりします。
AWS上でAWS利用料とFileMakerライセンス料も一括して購入する「FileMaker Cloud for AWS サブスクリプション」や、
年間契約のライセンスを BYOL というライセンスに変換してから、
Amazon AWS 上で FileMaker Server 機能を利用できるものです。

2種類目は、バージョン19の発売と同時に発表された FileMaker Cloud です。
「新しい FileMaker Cloud」とか「FileMaker Cloud 2.x」などと言われたりします。
これまでのライセンスとは関係なく新たにライセンス契約が必要になります。
Claris は今後こちらに力を入れていきたいみたいです。

実際はどちらもバックグラウンドで Amazon AWS が使われているのでわかりにくいかもしれないですが、
今回話題としているサポート終了が予告されているのは、
1種類目の 「FileMaker Cloud for AWS」「旧の FileMaker Cloud」「FileMaker Cloud 1.x」などといわれる
Cloud についてだけであることを先にご理解ください。
この「FileMaker Cloud for AWS」を利用されていない方は本投稿は関係ありません。

FileMaker Cloud For AWS はサポート終了が予告されていたが、、

FileMaker Cloud for AWS を利用中の方へ2020年11月に、
「【重要】FileMaker Cloud For AWS のサポート終了について」とのメールが、
Claris から届いていると思います。

サポート終了は1年ほど前から予告されていることでした。
メールに記載の通り2022年1月4日、つまり今から約1年後の2021年12月末をもって「サポート終了」と伝えています。
しかし、「サポート終了」とは具体的にどうなるのかについて、
最初の発表から今回の発表までで仕様が何度か変わっています

FileMaker Cloud for AWS を利用中のライセンスは2種類

利用中のライセンスによって対応も変わってくるため、次のどちらを自分が利用しているか、
よくご確認ください。

1. FileMaker Cloud for AWS サブスクリプション

FileMaker ライセンスは Claris やPartner経由ではなく、AWSからのみ購入可能なライセンスです。
かなり高額なのでおそらくこれを使用している方はほとんどいらっしゃらないと思います。

2. 年間ライセンスを BYOL

FileMaker ライセンスは Claris やPartner経由で購入可能なライセンスです。
そのライセンスを FileMaker Cloud for AWS で使用できるようにすることを「BYOL」と呼んでいます。
BYOL 可能なライセンスは年間購入タイプの、ユーザライセンス、同時接続ライセンス、サイトライセンスのいずれかです。

1. FileMaker Cloud for AWS サブスクリプション の方

メールに記載の通り2021年1月4日をもって、FileMaker Cloud for AWS サブスクリプションを更新することはできなくなります。
つまり、FileMaker Cloud for AWS サブスクリプションが更新時期まで利用可能、
FileMaker Cloud for AWS サブスクリプションが更新時期をもって FileMaker Cloud for AWS が即時利用できなくなり、猶予期間はありません。

FileMaker Cloud for AWS サブスクリプションを利用している方はほとんどいらっしゃらないと思われますので、
かなり厳しい対応になっていますが、あまり影響ないのではないかと思っています。

2. 年間ライセンスを BYOL の方

最初に発表された2018年頃の内容は次の内容だったと思います(今となっては正しくない)。

  • 2022年1月1日以降は、OSパッチアップデートや FileMaker Server としてのセキュリティーアップデートがされない
  • 上記のリスクを承知の上で使い続けることは可能
  • BYOL(年間ライセンス契約をFileMaker ServerではなくFileMaker Cloudで使用する)でもライセンスの更新は今まで通り購入可能

そして、今回まで何回かの仕様変更があって、今回発表された内容をまとめると次の内容になります。

  • 2021年1月4日以降、利用中の BYOL になっている年間ライセンスの年間更新時期まではそのまま使える
  • 2021年1月4日以降、利用中の BYOL になっている年間ライセンスの年間更新時期にそのまま更新はできない
    (後述しますが実際は更新できないのではなく次の1年分の購入は今まで通りの購入にはならない)
  • 2022年1月4日以降、アクセスできなくなる

メールでは2022年1月4日以降アクセスできなくなる旨は明記されているので、
「あ、アクセスできなくなる 新しい重要なお知らせなのね」とだけだと勘違いしやすく、
「次の1年分の購入は今まで通りの購入にはならない」点を見落としがちです。
ということで、本投稿を書きました。ようやく本題ですw

 | 日本の担当者に聞いてみた

大きな変更がある場合弊社のような Partner メンバーへ事前告知や説明があったりするのですが、
今回はありませんでした。
この変更により、「もしかして1ヶ月足らずで新しい環境への移行をしなければならないかもしれないのか?」
と思い Claris に確認しました。

確認するべきは「2021年1月4日以降、利用中の BYOL になっている年間ライセンスの更新時期に、どうすればいいのか」につきます。
いただいた回答は次のとおりです。

BYOLを解約するまで 2022年1月4日を超える契約更新ができません。従って 一旦 2022年1月4日までの契約更新をしたあとに、 改めて更新していただくか、未来の契約開始日の注文書を別途作成いただき取引販売店様へご注文いただくようお願いします。

回答から私なりの解釈で、期日ごとに言い換えると次のようになります。

  • 利用中の BYOL になっている年間ライセンスの更新時期(以降 Xデー と記載します)から、2022年1月4日までの間で FileMaker Cloud for AWS を終了する日を決めてください(以降 Yデー と記載します)
    Xデー からYデーまで(365日未満になるはず)を日割り計算で更新ライセンスを購入する
    これで Xデー ではなく、Yデー までは使用可能
  • 上記により、Yデー 以降はライセンス切れになるが、2022年1月4日までの1ヶ月程度であれば移行並行期間中とみなされ、ライセンス違反にならない

上記の手順で年間ライセンスを購入しようとすると、
本来は購入できないはずの1年未満の期間のライセンスになるが、
特別に日割り計算で購入可能、つまり、

  • Xデー から Yデー まで
  • Yデー から Xデーの1年後の同月日 まで
  • 予算や決算等でちゃんと1年分( Xデー から Yデー まで と Yデー から Xデーの1年後の同月日 の計365日分)の両方

上記のいずれも購入可能とのことです。

 | とにかく、どうしたら良いのか?
  • 2021年のライセンス更新時期までに、FileMaker Cloud for AWS をやめ、新しいFileMaker Cloud または FileMaker Server で共有するよう移行する

上記が可能ならそれに越したことはないです。
日程的に上記が不可能なら次の方法になります。

  • 2021年のライセンス更新時期( X デー)までに、FileMaker Cloud for AWS をやめる日( Yデー )を決定する
  • Xデー までに、Yデー までのライセンスを日割り計算で購入する
  • Yデー 以降に向けて 新しい FileMaker Cloud または FileMaker Server で共有するか決定し、契約や購入し、移行を計画し、環境を準備する
  • Yデー 後すみやかに 新しい FileMaker Cloud または FileMaker Server で共有するように移行計画を実行する

新しい FileMaker Cloud または FileMaker Server で共有 とは

新しいクラウド環境の準備は、大きく2つの方法があります。

  • 新しい FileMaker Cloud (2.x) を使う
  • FileMaker Server をパブリッククラウド上で使う
新しい FileMaker Cloud (2.x) を使う

これまでのライセンス体系の引き継ぎ等はありませんので、
新規に契約・購入し、利用を開始します。
クラリス・ジャパンに申し込む方法はもちろん、
弊社のような Claris Partner からも契約・購入可能です。
ぜひ弊社へお問い合わせください。

FileMaker Server をパブリッククラウド上で使う

FileMaker Server は Windows、Mac、Linux OSにインストールして FileMaker ファイル をホスティングできます。
Amazon AWS、Google GCP、Microsoft Azureなど、Windows や Linux OS が動作するパブリッククラウドが提供されていますので、
これまでの使い方と同じような環境を FileMaker Server で構築することができます。

また AWS や GCP ようなパブリッククラウドの知識がない方や、サーバーメンテナンスを一括でどこかにおまかせしたい!という方に、弊社では KBSクラウド を提供しております。
お困りの際はぜひお問い合わせください。

新しいFileMaker Cloud または FileMaker Server へ移行を計画する際に気をつけるポイント

  • FileMaker Cloud for AWS を利用していたほとんどの方は、「******.fmi.filemaker-cloud.com」のホストアドレスを使用していたと思います。
    移行先でそのドメインは使用できませんので、移行と同時に必ずホストアドレスが変わります。
  • FileMaker Pro 及び Go のバージョンが Cloud や Server のバージョンと異なる場合、
    移行に合わせて FileMaker Pro 及び Go も新しいバージョンのインストール作業が必要です。

    • 新しい FileMaker Cloud では現在、バージョン18以上のクライアントである必要があります。
    • FileMaker Server 19 は クライアントバージョン18以上
    • FileMaker Server 18 は クライアントバージョン16以上19以下
    • FileMaker Server 17 は クライアントバージョン15以上18以下
    • FileMaker Server 16 は クライアントバージョン14以上18以下
    • FileMaker Server 15 は クライアントバージョン13以上17以下
  • FileMaker Pro 及び Go の新しいバージョンをインストールする必要がある移行の場合、
    キーチェーンに登録されたパスワードは引き継がれません。
    移行後初めてファイルを開くときにアカウントとパスワードの入力が必要になります。
    (利用中のFileMaker Pro 及び Go をバージョンアップせずそのまま移行後のサーバーへアクセスできる場合は、アドレスが変わるだけなので、キーチェーンは再設定する必要なく利用可能のようです)

利用ユーザー数が多い場合は特にユーザーや管理者の負担を最小限にするため、
段階的な移行を計画すると良いでしょう。

このような FileMaker Cloud <ー> FileMaker Server 相互への移行について、
弊社ではコンサルティング、サポートさせていただいた実績が豊富にございます。
数台の iPad でご利用中の 大彦様 、数百台の iPhone でご利用中の ホリプロ様
千数百台の iPad と WebDirect でご利用中の Osaka Metro様など、
弊社がサポートさせていただいている FileMaker Cloud のお客様も、
2021年に KBSクラウド などに移行を計画しております。
お困りの際はぜひお問い合わせください。

本投稿は宣伝色が強くなってしまいました。
これはステマというのでしょうか。

追加情報

FileMaker Cloud for AWS(FileMaker Cloud1.18 または 旧KBSクラウド)から KBSクラウド for GCP への移行手順